アカウンティング・スクール特集 大学別レポート第5弾は、関西学院大学大学院経営戦略研究科会計専門職専攻について紹介します。関西学院大学は、来年度、唯一関西で会計専門職大学院を開校する大学です。関西私大でも経営学分野、とりわけ会計学の分野に関してもトップクラスに位置し、毎年30人前後の公認会計士試験合格者を輩出している大学の会計専門職大学院はどのようなものなのでしょうか。以下の紹介を読んで興味を持った方は、既に募集要項を配布中なので、HPからすぐに資料請求されることをお勧めします(2005年1月11日まで)。 |
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名称
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関西学院大学大学院経営戦略研究科会計専門職専攻 |
定員
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入学定員100名(収容定員200名) |
入試概要
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・ 面接重視型入試(A方式) |
募集人員:約60名 |
日程 :出願期間 2005年1月11日〜18日 |
一次選考合格発表 2005年2月4日 |
二次選考(面接) 2005年2月19日もしくは20日 |
合格発表日 2005年3月5日 |
・ 筆記試験型入試(B方式) |
募集人員:約40名 |
日程 :出願期間 2005年1月11日〜18日 |
一次選考(筆記試験) 2005年1月23日 |
一次選考合格発表 2005年1月31日 |
二次選考(面接) 2005年2月13日 |
合格発表日 2005年3月5日 |
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選抜方法
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・ 面接重視型入試(A方式) |
一次選考:書類選考 |
二次選考:面接 |
・ 筆記試験型入試(B方式) |
一次選考:筆記試験(会計学分野:財務会計、管理会計、監査) |
二次選考:書類選考、面接 |
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学費
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入学金 : 230,000円 |
授業料 : 1,110,000円 |
研究資料費 : 25,000円 |
教育充実費 : 225,000円 |
合計額 : 1,580,000円 |
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問合せ先
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経営戦略研究科開設準備室 TEL.:0798-54-6572
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1, 関西学院大学大学院経営戦略研究科について |
関西学院大学では、来年度から経営戦略研究科の設置認可が下りました。この研究科は、経営戦略専攻および会計専門職専攻の2つの専攻からなりますが、ここでは後者について紹介します。会計専門職専攻は、(1)新公認会計士試験制度に求められる能力を確実に要請する教育プログラム、(2)グローバルスタンダードの視点に立ったカリキュラム、(3)幅広い知識の習得を可能にするビジネススクールとの密接な連携、および(4)ビジネス・インターンシップにより、就職時に求められる実践的能力を高める、という4つの特徴を持っています。(1)は、新公認会計士試験制度で課される科目については、専任講師を配置し、論文試験科目については、小集団での授業を行う等のきめ細かい指導がなされるということです。(2)は、様々な分野の科目を配置することにより、複雑化する経済社会の中で活躍する、スペシャリストとしての職業会計人に必要な資質、能力を磨くという趣旨です。(3)は、もう1つの専攻であるビジネススクールの科目軍と密接な連携を図ることで、ビジネスパーソンとしての発想や創造性を身につけ、様々な企業経営におけるコンサルティング業務等にも対応できる広範なビジネススキルを養う、ということです。(4)は、ビジネス・インターンシップを通じて、授業で得た会計の知識や技術を実際の業務を通して活用し、就職時に即戦力として機能する実践力を身につけることを目指すものです。(3)にも特に関連することですが、この研究科の各専攻は定員が1学年100人であり、研究科全体で400人にもなります。MBAではよくあることですが、こういった環境で高いレベルの学生同士お互いに切磋琢磨し合い、授業その他の場所で親交を深め、修了後も仕事等で役立つコネクション作りができるという点では、大変魅力的であると考えられます。
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2, 会計専門職専攻のカリキュラムについて |
本研究科のカリキュラムをみて、特に気付くことは、アドバンス科目群にある応用的な科目が他の会計専門職大学院と比べて非常に多いことです。スペシャルな能力を養うためには、大変良いといえるでしょう。また、本研究科は、クウォーター制(セメスターの半分)を採っています。これにより、1クウォーターで1つの科目に集中することができ、知識の定着にも役立つでしょう。また、公認会計士以外の会計関連資格への対応についてですが、米国CPAには、国際会計士連盟が定める国際教育基準を尊重して科目を設置しており、米国会計基準論、米国管理会計論、米国監査論、米国会社法、米国租税法実務といった科目を設置しています。税理士試験に関しては、科目免除には消極的な考えのようです。
他の会計専門職大学院にはみられない特徴で、大変魅力的なのが、社会人に対する配慮がなされているということです。すなわち、平日の夜間と土曜日に授業を設置するので、それらを履修することにより修了可能であるうえ、1年半で早期修了できるコースもあります。
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3, 入試について(監査論の勉強の仕方)〜KALSからのアドバイスも含めて〜 |
本研究科の入試は、面接重視型入試(A方式)と筆記試験型入試(B方式)の2つがあります。前者に関しては、基礎学力や意欲などを面接重視により選抜する方式で、出願資格として、大学卒業(見込みも含む)以外に一定の資格試験の合格を要件としています。例えば、日商簿記検定2級以上、税理士試験1科目以上合格、公認会計士試験第2次試験短答式試験合格等です。詳しくは、HP等をご覧ください。そして、一次選考として書類選考が行われます。その合格者が二次の面接に進むことができるという仕組みです。こちらの入試方式のほうが定員が多いということは、入学者の知識レベルが相当高いことが容易に推測できます。後者の方式は、基礎学力を筆記試験を中心に選抜するもので、大学卒業(見込み)の方であれば、誰でも受験できます。この方式の一次選考は、筆記試験であり、財務会計、管理会計、監査が出題されます。これはそれぞれの基礎的事項の理解の程度を確認するために行われます。試験のレベルは、日商簿記検定2級を中心に、1級レベル、公認会計士試験の短答式試験レベルも取り入れて出題するそうです。したがって、かなり難易度の高いものであると思われます。安易な受験勉強では太刀打ちできないでしょう。そして、この一次選考の合格者が、二次選考の面接に進むこととなります。
ここで今回は、前回の特集で財務会計論のお勧めの本を紹介したように、監査論の本を紹介します。 |
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(1) 山浦久司『会計監査論 第3版』中央経済社,2003年 (4,410円)
(2) 八田進二『新版 監査論を学ぶ』同文舘出版,2004年 (3,360円)
(3) 友杉芳正『新版 スタンダード監査論』中央経済社,2004年 (3,150円) |
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(1)は、以前も紹介した明治大学の教授の著書であり、この第3版に改訂されてから、より教科書的な本になりました。入試対策としては、通説を学ぶという点でお勧めです。(2)も、(1)と同様、教科書という店でお勧めです。青山学院大学の教授の著書です。(3)は、公認会計士試験の受験生も使用している方がいる本です。大変わかりやすく書かれているのでお勧めです。また、これ以外にも、本研究科に関しては公認会計士試験の短答式試験レベルが出題されるという意味で、公認会計士試験の短答式試験の問題集を解いてみるのも良いでしょう。
監査論は、意外と勉強したことがある方が少ないかと思います。したがって、ここで差がつくとも考えられるでしょう。また、監査論を勉強するに当たり、注意しなければならないことは、ここ1年くらいで出版された本を使うことです。監査の分野は、近年大きくその定義等が変革しているといえます。基本的な考え方は変わりませんが、上記の本をはじめとする最新の理論をも収容した本で受験勉強されることを強くお勧めします。
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