アカウンティング・スクール特集 大学別レポート第6弾は、中央大学大学院国際会計研究科について紹介します。中央大学は、わが国で初めてのアカウンティング・スクールを2002年4月に設立しました。本研究科がそれです。伝統的にも中央大学は、会計分野に強く、公認会計士の合格者数は、平成15年度、14年度、13年度の順に4位、3位、4位と、平成14年度は東京大学を抑えるほどです。この先駆者ともいえるアカウンティング・スクールはどのようなものか、早速ご紹介していきたいと思います。 |
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名称
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中央大学大学院国際会計研究科 |
定員
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2005年度春季募集人員80名(収容定員100名) |
入試概要
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・10月入試(学生入試、社会人入試、企業推薦(派遣)入試) |
入学試験出願期間 2004年9月21日〜10月2日 |
面接審査(口述試験) 2004年10月17日 |
合格発表 2004年10月22日 |
・12月入試(学生入試、社会人入試、企業推薦(派遣)入試) |
入学試験出願期間 2004年11月22日〜12月3日 |
面接審査(口述試験) 2004年12月19日 |
合格発表 2004年12月24日 |
・2月入試(学生入試、社会人入試、企業推薦(派遣)入試) |
入学試験出願期間 2005年1月17日〜1月28日 |
面接審査(口述試験) 2005年2月13日 |
合格発表 2005年2月18日 |
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選抜方法
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・学生入試 |
3年生までの成績(GPAポイント)・志願者経歴書・ |
志望理由書の書類審査及び面接審査で選考 |
・社会人入試 |
志願者経歴書・志望理由書の書類審査及び面接審査で選考 |
・企業推薦(派遣)入試 |
企業等からの推薦書・志願者経歴書・志望理由書の書類審査及び面接審査で選考 |
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学費
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入学金 : 300,000円 |
授業料 : 1,000,000円 |
教育充実費 : 300,000円 |
合計額 : 1,600,000円 |
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問合せ先
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国際会計研究科事務課 TEL.:03-5368-3517 |
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1, 中央大学大学院国際会計研究科について |
中央大学大学院国際会計研究科は、設置当初から、『会計とファイナンスの融合』という点に着目し、この2本柱を中心としたカリキュラムを組んでおります。修了した学生には、国際会計修士(専門職)またはファイナンス修士(専門職)の学位が授与されます。ちなみに、2004年3月修了者(61名)の取得学位割合は、国際会計修士が54%、ファイナンス修士が46%となっています。
本研究科は、6つの提案をしています。すなわち、(1)新たな会計機能への対応、(2)新しいビジネスチャンスを拓く、(3)ビジネスの現場で活躍する教授陣、(4)ロースクールとの連携、(5)新たなニーズに対応する公認会計士の育成、および(6)社会人が学びやすい環境、です。(1)は、単に会計の知識のみならず、ファイナンスやマネジメントとの知識の融合を図り、企業の直接金融が急速に進む現代社会の中で、財務的視点から戦略的に意思決定できる能力を養う、という趣旨です。(2)は、環境会計、公会計、国際税務等、今後ますます注目される分野に精通した人材育成を目指すものです。(3)は、アカデミックな研究社と実務界で活躍する特任教授、客員教員等を程よく織り交ぜ、実践的な指導を取り入れているというものです。(4)は、同キャンパス内にあるロースクールの単位が12単位まで履修可能というものです。会計は、法律と密接な関係にあるので、大変魅力的な制度です。(5)は、さまざまなビジネスの舞台で活躍できる公認会計士を育成するというものです。(6)は、平日の夜と週末の通学でも修了できるカリキュラムを組み、授業をビデオ収録して、仕事の都合で欠席した場合、あるいは復習に対応し、さらには夏季および冬季に集中授業を設けているというものです。社会人学生にとってはとても魅力的な制度といえるでしょう。また、修了後の聴講制度も準備されています。
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2, 国際会計研究科のカリキュラムについて |
国際会計研究科のカリキュラムは、導入科目群、基礎科目群、発展科目群、および演習科目の4つに大別されています。導入科目群とは、多彩なバックグランドの社会人や学生が不足している基礎知識を修得するための導入科目です。基礎科目群とは、会計・ファイナンスを学修するうえでのコアとなる科目です。発展科目群とは、実務との関連や修了後の進路にあわせて体系的に履修できる科目グループを用意しています。これは、国際会計、公会計、環境管理、マネジメント・コンサルティング、税務関連、ファイナンシャル・マネジメント、プロフェッショナル・アカウンタントの7グループに分かれています。演習科目とは、教授の個別指導です。
また、平成18年から始まる新公認会計士試験制度に備え、『プロフェッショナル・アカウンタント特別プログラム』を提案しています。これは、特定のコースではなく、会計専門職を目指す学生を支援する科目群を増設したものです。具体的には、発展科目群の会計関連演習科目の新設、導入科目群の法律系科目の増設、中央大学の付属組織である中央大学経理研究所で補講プログラムです。これらにより、将来、会計専門職を目指す学生はより満足度の高い教育を受けることができるといえるでしょう。
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3, 国際会計研究科の入試について 〜KALSからのアドバイスも含めて〜 |
上記の表にもあるように、国際会計研究科の入試は、学生入試、社会人入試、企業推薦(派遣)入試の3つに分かれます。ここでは、志望理由書についてアドバイスをしたいと思いますが、その書式は、(1)過去の活動記録及び実績、(2)本大学院で学びたいこと、および(3)将来のキャリアプランの3つを書くことが求められています。まず(1)についてですが、これは学生入試とその他の入試とでは書く内容が異なります。学生入試では、大学で学んだこと、卒業論文執筆中ならばその題名と要旨を書かなければなりません。ここでは、自分の意見を入れる必要はないでしょう。しかし、大学で学んだことについては、どのような意志のもとに単位を履修したか、あるいは学外で学んだかということを表現しても良いと思います。社会人入試等の方は、現在の職種・ポジション等に加え、今までどのような職業等に就いたか、その中でどのような成功や失敗の経験をしたのかをあげたうえで、そうした経験の中から得られた教訓、ノウハウ、問題意識等を記述しなければなりません。ここで求められているのは、『経験の中から得られた教訓、ノウハウ、問題意識等』と『論理的な文章』の2点ではないかと思います。前者は、1つの事柄に対してどれだけ深く考察、分析し、何かしらの結論を出して現在行動しているかという能力を測るものです。大学院で学ぶに当たり、そういった考察、分析能力が最低限持っているのかということが試されています。これに加え後者は、いかに論理的な思考ができるのかということを測るものです。これも大学院でディスカッション等をするにあたり、最低限の能力を持っているかということが試されています。これらの点に注意し、何度も文章を校正することが必要でしょう。(2)は、特に深く学びたいあるいは研究したいテーマ・課題を挙げ、この点について、現時点でのあなたの理解、関心、問題意識などを説明するものですが、ここで求められるのは、『現時点での知識量と問題意識』でしょう。さほど会計に興味のなかった人がこれを書いても、大したものにはならないでしょうし、普段、会計やファイナンス等に従事していたとしても、日頃から1つのことに対して考えるという癖を身につけていない限り、良いものは書けません。また、どこかの本からアイデアを頂戴するというのも絶対に避けてください。大学の教員は、すぐに見破ります。幼稚と感じるものであっても、自分で調べ、考え抜いてこそ、認められるものになるでしょう。面接での対策も含め、多くの文献に当たることをお勧めします。(3)については、早大、明大の特集の最後で述べた内容と同様です。人生を短期的、中長期的、と考えることは、企業(法人)の経営戦略を考えるのと同じです。何年後に…、10何年後に…、20何年後に…、といったように何かしらの目標(点)を定め、その点をうまく線で結んでいくためにはどのような進み方がいいのかということをしっかり考え、論理的に文章化し、面接に望むようにしてください。
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