大学院に行けば未来が開ける KALS OB・OGの活躍

KALS大学院入試対策講座のOB・OGの方で現在、大学院に入学してキャリアチェンジを遂げ、社会でご活躍の方々からのメッセージです。


公共政策系

■ 〔国際関係〕藤原 禎士さん

藤原 禎士さん

藤原 禎士さん こういうところでお仕事されています。

責任と職務を果たすための
広く深い知識の蓄積が日々のやりがい。
やりたいこと(夢)は叶います。
強く思うこと、あきらめないこと、
行動することが大切。

世界銀行スーダン事務所
Monitoring and Evaluation (M&E) Officer
藤原 禎士さん

[KALSでの受講形態]
2007年 英語&論述力強化コース、国際関係論

[学歴]
東京大学公共政策大学院専門職学位課程修了

[職歴]
商社営業を経て、大学院修了後、
世界銀行スーダン事務所Monitoring and Evaluation Officer

■ 商社営業から世界銀行勤務へ

――世界銀行を目指すようになったきっかけから教えてください。
藤原 現在は世界銀行のスーダン事務所にてMonitoring and Evaluation (M&E) Officerとして11あるプロジェクトにおいての監視と評価の業務を行なっています。もともとは国際機関でプロジェクトマネージメントを行なうOperation Officerになろうと考えていました。大学院在学中はプロジェクトマネージメントを念頭に置きながら、マネージメントのスキルアップと各国の国際機関の関係など広く研究しました。学外ではプロジェクトマネージメントの一環としてプロジェクト評価を研究していましたが、当時はあくまでもプロジェクトマネージメントが主で、そのための評価を研究するという程度でした。たまたまチャンスがあり、現在はOperation OfficerをサポートするSpecialist (Procurement, Financial management, Safeguard, Gender, M&E)の一人として経験を積んでいます。

――大学院をどうして目指すようになったのですか。
藤原 高校生の頃より紛争予防のための国際開発に興味があり、大学院で修士号取得後、紛争予防に資する国際機関での就職を考えていました。米国大学留学中より大学院進学を考えてはいましたが、学費と職務経験のために民間企業に就職しました。2年間の職務経験を経て、奨学金が貰え、アルバイトも可能である日本の大学院に進学することを決めました。

■ 受験勉強中はKALS講師の熱心さが心強かった!

――KALSに通うことにしたきっかけを教えてください。
藤原 学士号を米国で取得したため、大学院入試での日本語の論文試験に自信が持てなかったため、大学院受験を専門に行なっているKALSに決めました。特に東京大学公共政策大学院では、国際法と国際政治を受験の選択科目として考えていたため、国際関係論が開講されていたこともきっかけになりました。

――KALSの教育システムや授業で印象に残ったことは何ですか。
藤原 国際関係論、論述力強化ともに授業はシステム化されていて、理解しやすかったです。国際関係論では概論を授業でざっと済ませ、細かい部分は自分で学習しました。これは時間の限られた受験期間において、大変有益でした。また私の持って行く質問に対して先生方が熱心に答えてくださり、非常に心強かったです。

――現在の職業でKALSの勉強や受験勉強が役立っていることはありますか。
藤原 受験勉強中は役に立たないものは何も無いと思って勉強してきました。勉強も効率的にそして無駄の無い方が良いですが、受験勉強の結果、院試も成功したので、わからないことを勉強しているのであれば無駄なことは何も無いと思いました。現在の仕事においても、わからないことは質問する、わからないことを勉強するのに無駄は無いという気概で、常に前向きに取り組んでいます。

■ 大学院では、真剣に自分と向き合う時間が出来た

――大学院生活ではどんなスケジュールでしたか。
藤原 東京大学公共政策大学院は研究科ではなく、専門職修士課程です。そのため卒業単位は研究科よりも多く、淡々と授業をこなしていくという印象を持ちました。また修士論文の提出は義務ではないという特徴があります。私のように職務経験がある学生は少なく、また公共政策大学院という性質上、大学院1年目より公務員試験準備をする学生や就職活動を行なう学生が多いと感じました。 職務経験がある学生は新卒採用での就職活動が難しく、就職活動時期が論文執筆の時期と重なってします。私は修士論文を書けなかったことが心残りです。

――大学院に通ったことが、現在の職にどのように役に立っていますか。
藤原 私は大学院に通ったことで、真剣に自分と向き合う時間が出来たと考えます。インターンや評価の研究など、授業だけでなく大学院在学中に行なった学外での活動が現在の仕事に繋がっています。大学院に通わなければ、そのような経験を積むチャンスが無かったと考えます。

■ 責任と職務を果たすための広く深い知識の蓄積が日々のやりがい

――現在の職務の内容とそのやりがいについてお聞かせください。
藤原 Monitoring and Evaluation (M&E) Officerの仕事は一つ一つのプロジェクトがスムーズに進行するよう、Operation Officerをサポートする立場にあります。本来であればプロジェクトの立ち上げ時からOperation Officerと一緒にプロジェクトのデザインに携わるのですが、現在は既存のプロジェクトがどのような成果を上げているかの指標の確認、改善とデータの収集、報告が主な業務です。Operation Officerには教育や保健医療、農業や金融など開発に関する専門性が必要とされ、11のプロジェクトがあれば11人必要ですが、M&E Officerは一人で11のプロジェクトを横断的に監視しなければなりません。その責任と職務を果たすための広く深い知識の蓄積が日々のやりがいとなっています。

――これからの目標についてお聞かせください。
藤原 現在はまだまだ駆け出しでとてもSpecialistと呼んでもらえるにはほど遠いので、5年でMonitoring and EvaluationのSpecialistとして、色々な所から必要な人材として認められるようになりたいと考えています。また世界銀行はエコノミストしかいないという間違った認識を少しでも日本の学生さん達に教えたい、活躍の場は色々な形で与えられるということを伝えたいと思います。

■ 夢は強く思うことで叶います!

――最後に後輩へのメッセージをお願いいたします。
藤原 やりたいこと(夢)は叶います。時間はかかるかもしれませんが、大切なのは強く思うこと、あきらめないこと、行動することだと感じます。大学院に行く理由、また将来思い描いている仕事、もう一度よく考えてみてください。将来やりたいことが決まれば後は行動あるのみです。がんばってください。

藤原 禎士さん

[プロフィール]
University of Wisconsin Madison卒業後、長瀬産業株式会社(北米現地法人 デトロイト支社)に勤務。東京大学公共政策大学院を修了し、世界銀行スーダン事務所でMonitoring and Evaluation (M&E) Officerを勤めている。