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国内MBA合格者講演会より
MBA入試対策と大学院生活

講演者:一橋大学大学院 商学研究科 経営学修士コース Bさん

こんにちは。私は現在、一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース通称HMBA 1年に在籍しています。今日は、試験対策と大学院での生活について少しお話ししたいと思います。

ゼロからのMBA

まず私の自己紹介を簡単にさせていただきますと、私は新卒で大学院を受けました。MBAを志望される方は社会人の方が多いと思いますが、その辺りはご了承ください。私は大学では経済を専攻していて、FPなど資格の勉強はしていたのですが、経営学や英語はほとんどできない状態から始め、まさにゼロからのMBAといった感じでした。

国内MBAスクールが乱立する中では一橋、京都、神戸、筑波、早稲田、慶応義塾などが有名ですが、その中でも私が一橋を志望したのは、新卒を受け入れている数少ない大学院のひとつだったからです。私は卒業後はビジネスの世界で活躍したいと思っていましたし、その土台作りのために進学したいと思っていました。一橋は論理的思考力の養成に特に力を入れていて、長期的な視点で総合力をつけるプログラムになっていると聞きましたので、30歳前後の方には有益だと思います。実際、今の自分の年度も若い人が多く、平均年齢は27,8歳だと思います。

一橋の場合は、試験科目は小論文、英語、研究計画書に該当する将来計画書です。私は大学3年の9月から約1年間勉強しました。新卒だったので時間がありましたから。受験準備の期間は各自各科目の現在のレベルを考えて、参考程度にしてください。

科目別対策

各科目について、まず小論文ですが、一橋の場合、毎年、問1は長文を読んでまとめるという形のもの、問2は意見記述と呼ばれるものが出されます。文章はあまりアカデミックなものではなく、私のときは、ジェームス・アベグレンが出されました。文章量は多いが読みやすく、基本的な知識があればできると思いました。京都MBAなどはアカデミックな傾向が強いので、別の対策が必要だと思います。小論文は、私は8割くらいできていることが望ましいと思います。ロジックがちゃんとしているかどうかがポイントです。

対策ですが、まずインプットとして私は、書籍、新聞、雑誌を参考にしました。日経新聞は毎日読んでいないといけないし、このあたりの基本的な積み重ねができていないと、大学院に入ってからも困るし、まず入試の小論文も薄っぺらいものになってしまうと思います。雑誌にプレジデントを挙げたのは、一橋の先生が連載を持っていたからです。志望校の先生の書いているものについてはチェックが必要です。日経ビジネスも読んでいる方は多いと思います。事例を挙げて説明しなければならない問題が出題されているので、このような問題への対応としてもケースのたくわえはしておいた方がいいです。

アウトプット対策としてはKALSでMBA論述対策を半年間受講し、毎回先生に添削をしてもらいフィードバックを受けるというかたちでやってきました。予備校に通わない場合でも、他者からのアドバイスを受けて、論理の飛躍や破綻を発見するということは必ず必要だと思います。新聞の社説の要約も、文章が苦手が人には有効だと思います。経営学の基本的な知識がない場合は、概論書を2,3冊読破することも必要でしょう。

次に、英語は、要約、和訳、正誤問題という形で出題されています。私が受験したときは1時間で解き終わることができるような状態でしたが、ということは逆にいえば満点近い得点が要求されるということだと思いました。

対策としては、一般的な英語の学習法で、単語、文法、読解、過去問といった感じです。読解問題が出るので、文法がわかっていることは大前提ですがとにかく読む量を多くこなすということが大事ではないかと思います。私はTOEIC用の文法の参考書などを使いました。

研究計画書のポイントは、志望動機から入学後・卒業後の計画まで一貫性があるかどうかです。志望動機は自らの経験に基づいていることが望ましいと思います。新卒であってもバイトやサークルでの経験を織り交ぜることはできると思います。具体的な事例を入れることで差別化ができるし説得力も増すと思います。とにかく人に見てもらい、アドバイスをもらって質の高いものに仕上げていきます。私は随分前から準備していたにもかかわらずKALSの先生に見てもらって一発でダメ出しが出て全部書き直しになった経験があります。

面接は研究計画書をネタに実施されます。研究計画書の出来がよくないと、面接で散々つっこまれたりするので、面接には運もあるとはいっても、計画書を詰めておくことである程度対策はできると思います。

大学院生活の実情

授業があるときは平均睡眠時間は3,4時間ですがこれは楽な方で、各科目のグループワークが重なると、週2,3日徹夜になることもよくあります。かなり体力がいりますし、覚悟が必要です。ある授業では24時間ぶっ通しでグループワークをしたこともあります。

予習は当たり前で、例えば財務会計の授業ですと、毎回予習20ページ。それに課題が出ます。古典講読では毎週40〜100ページ古典を読んで要約するというような課題が出されますがとにかくよみにくい内容ですし、またこれがやり直しになったりすると今度は次週の課題が回らないということになり悲惨です。とりあえず睡眠時間はありません。

HMBAの良いところとしては、アカデミックで著名な教授陣がいること、経営学の研究機関として歴史があることでしょうか。著名人の講演も多々あります。マイクロソフトの樋口社長、リンクアンドモチベーション小笹社長などに講演に来ていただいており、多少はお話しする機会もありました。クラスの年齢層が若く、フルタイムで土日も課題一色、社会との接触はなくなりますが、考える力、書く力、素晴らしい人脈、そして自分を深く見つめなおすことのできる貴重な2年間だと考えています。