心理・教育・人文科学系
D・Nさん
筑波大学大学院 教育研究科 教科教育専攻 学校教育コース
早稲田大学大学院 教育学研究科 学校教育専攻 教育心理学コース

○学習計画について
(1)大学院の選択
 自分の修士論文のテーマと教授陣の研究関心を基準にして受験する大学院を決定します。次に受験する大学院を決定したら過去問や募集要項などを入手し、傾向を分析します。その際には東京図書の「人文科学系大学院案内」や大学院のホームページが役に立ちます。

(2)研究計画書
 とにかく書きます。頭だけで考えずにとりあえず形にします。作成に関しては指導教授の学術論文や著書、学術雑誌、学部の紀要、ジャーナル、ダイヤモンド出版の「研究計画書の考え方」などを参考にします。その際、国会図書館や都立図書館、インターネットが非常に役に立ちます。次に書けたものを専門家に見てもらいます。学術論文などにはきまりがあり、専門家にチェックしてもらう必要があります。そこで問題点が出たら逐次修正していくという手順をとります。

(3)筆記試験対策
 まず過去問を分析し、傾向をつかみます。大学院では英語が重視されます。英語は大学受験のときに使用していた参考書を使い、英文和訳を中心に行いました。専門については教育学・教育心理学について、それぞれ概論書5〜6冊をノートにまとめる作業を中心に、論述の練習などを行いました。早い時期に自分の勉強のスタイルをつくることが必要です。

(4)面接試験対策
 研究計画書について詳しく説明できるようにしておきます。その他、終了後の進路、志望動機、筆記試験の結果についてなど。あまり考えすぎずに自分の考えていることを素直に答えるといいです。

○本試験実況中継
(1)筑波大学大学院 教育研究科 教科教育専攻 学校教育コース
〈1次試験〉
英語120分 共通科目分 専門科目120分
英語:大問2題。英文和訳と文章理解。文章理解は若干、抽象的な問題ですが、時間は120分、辞書も使用可なので、落ち着いて解答できます。英語ができる人なら9割から割りも可能です。
共通科目:教育原理と教育心理。教育原理は語句説明、教育心理は選択問題。いずれも概論書レベルで対応できます。

専門科目:教育経営と生徒指導。論述4問中2問選択。各A41ページで解答。「子どもは小さな科学者について論ぜよ」など。

〈2次試験〉
口頭諮問分間
面接官7人に対し受験生1人。研究計画を中心に質問されます。けっこう突っ込まれます。学部時代の成績にも触れられ、一言「ひどいね」と言われました。切ないです。

(2)早稲田大学大学院 教育学研究科 学校教育専攻 教育心理学コース
〈1次試験〉
英語分 専門科目120分
英語:大問2題。英文和訳と文章理解。辞書使用不可。英文自体は易しいですが、時間は余り余裕がないです。焦らないで解答すれば問題ありません。
専門科目:共通問題と専門科目。共通問題は教育学に関する問題。語句説明と論述。専門科目も語句説明と論述。「適性処遇交互作用における重回帰分析の利点を述べよ」など。

〈2次試験〉
口頭諮問分間
指導教官の教授を含め面接官2人に対し、受験生1人。研究計画を中心に質問されます。筆記試験の結果、終了後の進路、志望動機など。終始和やかな雰囲気。

○今後受験される方へ
 これから受験される方もご存知の通り、大学、大学院はゴールではありません。人生を1つの長いスパンで見たときの1通過点に過ぎません。大学院に合格しても不合格でも自分はやるだけのことはやったと思えることが大事だと思います。

目標に向けて努力したことが、後の人生においてきっと自分のためになります。万一失敗してもそれが次のチャンスになり、より良い道が開けるかもしれません。人生に無駄なものや回り道というものは何一つないと私は信じています。人生は自分で創っていくもので、すべては自分次第です。自分の選んだ道を頑張って下さい。

 大学院は落とす試験ではありません。頭の良くない私でも対策を立てれば対応することができました。そして知らないうちに多くの人に支えられていることも再確認しました。これから受験される方に良い結果が訪れることを私は願ってやみません。

 最後に講師の先生や河合塾の事務の方々、影で私を支えてくれた皆様に心から感謝を申し上げます。


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