MBA・経営・商学系
S・Fさん
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 経営管理専攻

 合格したのは、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(以下KBS)1校です。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科も出願し書類選考に合格していましたが、KBSに合格したため、二次試験は辞退しました。

[1]受験勉強

(1)準備期間(2001年2月〜4月中旬)
 私は理工学部卒業であり、経営学を含む社会科学系の分野は門外漢でした。そのためこの期間は、基礎知識をインプットすることに専念しました。日経新聞、日経ビジネスや、『ゼミナール経営学入門』『同経済学入門』(ただしともに決して「入門」ではない)を読みました。ただあまり細部にはこだわらず、分からないところは飛ばしていました。

 また特に社会人を主な対象とした経営系大学院には、TOEIC、TOEFL等のスコアの提出を義務付けているところがありますので、そのような院を受ける場合には、この時期に語学試験を受けておくのもよいかもしれません。

(2)KALS受講期間(4月下旬〜9月上旬)
 KALSでは「経済系英語」、「小論文」、「経営学」、「会計学」の4科目を受講しました。KBS受験のためには、特に「小論文」、「経営学」そして英語は不可欠だと思います。KBSの小論文は出題分野が極めて多岐に亘るため、毎回さまざまなテーマで論述を行うKALSの「小論文」は最適です。また次回分あるいは宿題のテーマについて自分で調べることで、守備範囲が広がります。

またKBSでは経営学の専門論述は課されませんが、それでも経営学分野でのインプット、アウトプットは欠かせません。KALSの英語に関しては、科目によりレベル、内容、演習・講義の進め方等に違いがありますので、講義を体験してから選択するのがよいでしょう。上記の講義科目は、演習形式であり、限られた時間内に、指定された字数で記述することは、絶好の「模擬試験」でした。

 またKALS以外では、経営学に関連する書籍を多く読んだり、日経新聞の「経済教室」を用いて要約の練習をしたりしていました。

(3)試験直前期間(9月中旬〜月中旬)
 論述の力は、継続していないと、自分でもはっきりと分かるくらい、すぐに落ちてしまいます。KALSの講義期間が終了してからも、自分でテーマを設定して論述を続けることが大切でしょう。そして、経営学分野を中心とした知識の再確認が必要なのは言うまでもありません。

[2]試験状況
(1)一次試験(研究計画書)
 KBSの場合は、よくある「研究計画書」というものはなく、「入学志願者調書」という大学指定のフォームがあり、実務経験、将来計画とKBSでの勉強の関連(強いて言えばこれが研究計画書に近い)、分析課題などの設問に対し、記入・論述します。小論文で繰り返し行った論述の訓練が、この志願者調書でも非常に役に立ったと思います。

(2)二次試験(筆記、面接)

  1. 小論文(120分)
     B4で3枚程度の文章を読み、要旨や自分の意見を論述する形式。今回は梅棹忠夫氏の情報産業についての文章からの引用。

  2. 英語(分)
     全6問。(1)、(2)は文章を読み、内容真偽を記号選択。(3)〜(6)は要旨を論述。『競争の戦略』『エクセレント.カンパニー』『組織の経済学』等からの引用。

  3. 面接(約分)
     面接官は3名。志望動機、研究したいこと、将来計画といった典型的な質問や、学費負担や通学に問題はないか、など例年通り。志願者調書の内容に関する質問は殆どなく、比較的和やかな雰囲気でした。
[3]終わりに
 今回の合格は、KALSなしでは不可能だったと思います。ひたすらインプットとアウトプットを繰り返す、それだけのことですが、独学では難しいでしょう。この場をお借りして、宮内先生、そしてよき仲間でありライバルでもあった「クラスメート」のみんなにお礼を申し上げます。

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