MBA・経営・商学系
H・Iさん
一橋大学大学院 商学研究科 専修コース

○学習アドバイスと河合塾の良い点
 私の場合は実務経験の中から大学院での研究対象が出てきたため、講座も小論文のみの受講であまり大学院入学を目的とした学習をしなかったことを前提に書かせていただきます。今後、社会人として働きながら大学院を目指す方の参考となれば幸いです。

 最近は社会人向け大学院の設立が相次ぎ、大学側の求める入学者像もいわゆる研究者から理論を備えた実務家へと変わってきているようです。事実、社会人向けの入学試験では経営学理論についての細かい知識を問うものは少なく、どちらかというと現実の社会で起きている現象や問題について受験者の考えを問うものが中心と言えるでしょう。社会人として第一線で働いている人が日頃の経験の中でどんなことを考え、どんな問題意識を持っているかが大学側の受験生に求める最大の関心事のようです。しかし、あくまでカルチャースクールや専門学校でなく大学院であるために、基本的なプレゼンテーション能力や論理的思考能力、文書表現能力を入学試験で判断しているのではないでしょうか。

 具体的な学習としては、まず自らが何故大学院へ行きたいのか(目的)を明確にして、進学後に学ぶ分野の入門書などを数冊読み、基礎的な知識を身につけることでしょう。合わせて試験で求められる論理的思考能力や文書表現能力を磨くため小論文の授業を受講することをお奨めします。目的が明確で自らが興味を持っている分野であれば、その分野の本を読むことは楽しいことですし、小論文を数多く書くことで自らの考えを整理し文書で表現するという能力は入試だけでなく社会において必ず必要な要素でしょう。

小論文の講義で定期的に数多くの論文を書き、添削をしてもらうことはいろんな面で非常によいトレーニングとなりました。あとは何といっても日経新聞や NewsWeek などを読み、日常的に社会・経済情勢への関心を持つことでしょう。

○本試験実況中継
 一橋の試験は事前の書類提出、一次の英語・論文、そして二次の面接によって合否が決まります。英語は非常に文書量が多いため(A4に4〜5枚)速読で全体の意味を把握する能力が求められると同時に、部分訳が数ヶ所あり正確な和訳の能力も必要となってきます。また出題文は英文の経営書やケースをそのまま引用しているようなので、日頃からそういった文書を読んでおくと良いでしょう。小論文に関しては与えられる資料の読み取りと、それに対するユニークな意見が求められているのではないでしょうか。
いずれも限られた時間の中で相当量の回答をするスピードは必要でしょう。また面接も非常に厳しい突っ込みがあるため、付け焼刃の志望理由や研究計画では厳しいでしょう。
 大学院進学を目指す皆さんのご健闘を祈ります。

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