その他
S・Yさん
神戸大学 国際協力研究科 国際協力政策専攻
神戸大学 総合人間科学研究科 地域文化学専攻

○はじめに
 私は日本政治外交史(特に対東南アジア外交)を研究したく、神戸大学を志望した。なぜなら、神戸大学には日本政治外交史の権威であるI教授がいらっしゃったからである。(勿論、I教授の論文や論評に感銘を受けたということもあるが)。そこで、私はI教授のところへうかがい、研究内容について相談した。

すると教授は「それなら法学研究科よりも国際協力研究科へ行った方がよい」と言われたので、私は素直に教授のおっしゃることをきいた。以上が私が国際協力研究科を受験することにした理由である。(ちなみに、総合人間科学研究科を第2志望として受験したのは、東南アジアを研究されている先生が多くいらっしゃったからである。)この合格体験記では、第1志望である国際協力研究科をメインに話しを進めていきたい。

○勉強方法

 英語については、藤巻先生の「基礎英語」「総合英語」を受講した。藤巻先生は英語論文の読み方を教えて下さるので、この方法を身につけられるように、予習・復習で先生の読み方を使っていった。その結果、読解力が増したと思う。英語力をつけるには藤巻先生の講義を受けることを勧める。ただし、神戸大のように英文の量が多いところを受ける場合、テキスト以外にも分量の多い英文を読む必要がある。特に、大量の英文を読むのが苦手な人は、テキスト以外にも英語を読む訓練が必要だ。

論文科目として、私は国際関係論と政治学を受験した。政治学については放送大学の『比較政治学』と阿部斉『現代政治学の理論』とTAC出版の『政治学』(公務員受験用のテキスト。内容は阿部先生の本の要約版。阿部先生の本が「?」ならば、これを読んで下さい。)と、試験問題を出題される先生方(M教授とK教授)の論文を読んだ。

これらの本等を理解できれば、政治学は何とかなると思う。一方、国際関係論は先生方の諸論文を読んで理解に努めるだけでなく、そこに出てくるキーワードや関連事項をできるだけ徹底的に調べ、理解した。(政治学も同様。)

だが、この研究科の国際関係論は毎年何が出るか分からないので、それをしただけでは十分ではない。現に、今年(2002年度)の出題はまさしくそうだった。私は、幸い学部時代に授業で聞いた内容が使えたので、対処できた。(蛇足ではあるが、国際関係論の入試問題を作る先生は、3人いらっしゃったが(2001年現在)、そのうち2人は神戸大を辞められる。

残りはA教授1人となり、2002年4月付で新しい先生が1人着任予定であるが、誰か分からない。それで計2人となるが、実は国際関係論の入試問題をもともとA教授はあまり作っておられなく(今までは主にT助教授が作っていた)、新しい先生の情報もまったく入ってこないので、2002年度に国際協力研究科の国際協力政策専攻を受験する方は、国際関係論の入試傾向等については自力で情報を集めてもらうしかなく、この点から言えば内部生も外部生も関係ない。)

○最後に
 神戸大学・国際協力研究科・国際協力政策専攻の合格勉強法+αについて話したが、この大学院に興味のない方にはあまり有意義な内容ではなかったと思うので、少し補足しておきたい。

先述の通り、私はI教授(2002年度は在外研究)のもとで日本政治外交史を勉強したく神戸大を志望したが、その際I教授は「ゼミに来ませんか」と誘って下さり、ゼミに参加した。そしてゼミ内で多くの友人に恵まれ、多くの貴重な情報を得た(先述の「蛇足ではあるが…」の部分)。また、いろいろな神戸大の先生とお会いする機会もいただいた。それらの結果によって合格できたと思う。

これを読んでいる皆様も、どうしても行きたい大学院があれば、実際に指導を希望する先生方に会い、ゼミに参加させてもらったり、院生を紹介してもらったりして、入試に関する多くの情報等を得ることが大事だと思う。また、時間があれば、学部の授業を聴講させてもらうのもよい。入試に合格するのに最も大事なことは勉強することだが、勉強以外のものにも目を向けることも院試では大事であると思う。

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