国際関係、政治政策系
N・Uさん

東京大学 公共政策大学院 国際公共政策コース


公共政策大学院に魅かれたわけ
大学院進学を決意してから六ヶ月、何とか合格を手にすることができました。KALSのスタッフ・講師の皆さんには大変お世話になりました。私が合格までたどり着くことができたのは、ポイントを的確につかんだ授業と充実した試験情報のおかげです。本当にありがとうございました。

大学院進学を決意した当初は、研究者を目指すために法学研究科への進学を希望していましたが、次第に実務の分野にも強く興味を持ち始め、研究者と実務者という双方の分野から講師陣をバランスよく招いている公共政策大学院に魅かれるようになりました。卒業生の進路も、国家公務員やシンクタンク、NGOなど国際問題の解決に貢献できるような職種が多かったので、自分の描く将来像と一致し受験を決意しました。

専門科目、英語対策
私の試験科目は国際法と国際政治でした。国際法については、自分の専門分野であったため、ゼミ・授業等を通して常々勉強してきましたが、総まとめの意味も含めて再度一通り勉強しました。使用したテキストは、『国際法』(山本草二著・有斐閣)、『プラクティス国際法』(香西茂ほか著・東信堂)等です。「どんな問題が出されても大丈夫」と思えるまでやりこみました。

国際政治については、正直どのように勉強してよいのかわからず、『国際関係キーワード』(初瀬龍平ほか著・有斐閣双書)を一通り読み込みました。私は国際法を中心に、その合間を利用して国際政治を勉強しました、なお、英語についてはトフルスコアの提出が義務付けられており個別の試験は課されませんでした。しかし、英語からはずいぶんと遠ざかっていたためKALS授業で英語の感覚を取り戻し、高得点をマークすることが出来ました。

本試験報告
第一次試験は2時間の筆記試験でした。国際法が一題、国際政治が三題。内容は、自分の勉強が手薄だった分野が出題されたためはじめは戸惑いました。悩んだ挙句、自分の専門分野と関連付けながら半ば強引に解答しました。正直、「もう落ちた…」と思いました。これはあくまで回顧ですが、あのときの解答が他の受験生と異なるユニークな視点と評価されたのではないかと思います。これから受験勉強をしていく皆さんにはまんべんなく勉強していってほしいと思いますが(遠回りなようでも受験攻略の正攻法ですから)、自分が専門としたい分野を明確にして、少し突っ込んで勉強することもお勧めします。研究計画書の提出もありますので、改めて考えてみると良いと思います。

第二次試験は面接試験です。受験生一名に対し教員三名という形式で行われました。質問は主に研究計画書について。学術的なかなり突っ込んだ質問をされるので第一次試験合格後は提出した研究計画書をもう一度見直すと良いと思います。教員の質問に完璧に答えることは不可能に近いのではないかと思われますが(そもそも完璧に答えられるなら「受験生」の側にはいませんから)、言葉はハキハキと、堂々とした態度で臨んでいくことが大切だと思います。

たとえどんなに意地悪な質問でも、「それでも自分は、こうだからこう考える!」というような前向きさを忘れず、あくまでも論理的に答えることだけに集中しました。私は第一次試験に引き続き、第二次試験でも「落ちた…。」と思い、本当に打ちのめされました。けれども、面接を終えた周りの受験生も皆一様に屍のような表情で帰っていくのを見て、自分だけではなかったんだろうと思い家路につきました。

「根拠のない自信」から「根拠のある自信へ」
以上が私の「受験奮闘記」です。結果的には合格しましたが、最後まで険しい道のりでした。「根拠のない自信」を胸に辛抱強くやり続けることが唯一の勝因だったと思います。途中何度も自分の勉強方法を変えてみたり、周りにつられて焦ったりしました。勉強(精神的修行も含め)を積み重ねていくうちに、やがては「根拠のある自信」を得て、試験当日は自分の力を存分に発揮することができれば、それが一番理想的だと思います。



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