国際関係、政治政策系
N.Kさん

早稲田大学大学院 政治学研究科 比較政治研究領域


高度な専門知識を追求して
大学院進学をきめた理由は、大学の学部で得る以上の高度な専門的知識を大学院で身につけたいと思ったから。大学院を決める際、まず自分のやりたい研究の領域と教授が両方存在する大学院をいくつか選ぶ。次に、その大学院の特色や募集人数などを調べ、総合的に吟味する。結果的に、早稲田を選んだ決め手は、同大学が政治経済学分野に強く、学問を志す者にとって十分な教育設備とCOE(Center of Education)プログラムをはじめとする多様なカリキュラムを備えており、自分の学問や物事に対する探究心を大いに駆り立ててくれる環境であると感じたからである。

研究計画書は卒論の延長線上に
私の場合、修士課程での研究は、卒業論文の延長として捉えたいと考えていた。やはり一般的にいわれているように、卒業論文テーマを基礎にして、それをより応用した形で修士論文なりをつくりあげていくことが無難だと思う。社会人の場合は、現在取り組んでいる自分の仕事に関連させることもよいが、学生時代にできなかったこと、興味のある対象に自分こそが今取り組みたい!と熱意を込めて教授たちに伝えれば、思いは届くのではないだろうか。

研究計画書対策
大半の大学院は、願書提出の際一緒に研究計画書の提出も求めてくる。1000字〜2000字というところが多い。

私が計画書に盛り込んだ項目は、@自分の研究対象の背景状況、A現在それについてどのような研究がなされているか、B自分が取り組む研究の意義と特徴、C具体的な研究方法である。テーマの選択理由は特に書かなかった。1000字は案外少ないので論理的かつ簡潔に書かなければならない。他の対策本にも書かれているように、「研究計画書」はある意味で試験の点数よりも大切なものである。じっくり時間をかけて完成させるようにしたい。

筆記試験から口頭試問まで
〈1次試験(外国語、専門科目)〉
外国語(英語)の試験問題は例年通り。即ち、全文和訳である。市販の問題集を手に取ると、たいてい早稲田の問題に対するコメントは「やや難」であるが正直そこまで難しくはない。苦手な人でも専門単語をある程度覚え、1問に費やす時間を40分と換算すれば、じっくり問題を解くことができる。専門科目については、それぞれの研究領域(政治学、政治思想、比較政治、国際関係、公共政策)に分かれている設問1〜5のなかから、出題の際に届け出た領域の問題を1問、そのほかの領域の問題を自由に1問選択し、計2問につき解答するものであり問題形式は例年と変わらない。基本的に論述問題である。山をかけていたのが見事にはずれ、何度もあきらめかけたが、自分の知識を信じて、ただひたすら紙を埋めたという感じであった。

〈2次試験(口頭試問)〉
2次試験にはスーツを着込んで乗り込んだ。「あなたの大学院進学の動機と、早稲田を選んだ理由、院での研究計画、将来の希望を5分間でスピーチしてください」と言うので、なんとか順を追って自分の熱意を伝えた。その後私の研究内容について細かく質問があった。大切なのは、ある個々の事象に興味を持ち、深く追求したいという思いである。

面接から1週間後、校内の掲示板に、自分の受験番号を見つけたとき、やっと何かに開放されたという気持ちでいっぱいになった。

早めの志望校決定と情報収集が合格の鍵
まずは、早めに受験校を決めること。そして、どの科目を勉強すればいいか、教授の得意分野などを研究し、準備に取り掛かること。即ち、どんな些細な情報でも院に関するものは大事に覚えておいて、勉強の効率化につなげることが大切である。外国語が英文和訳なら、KALSの講義、教材で十分である。あとは専門単語を覚えればよい。専門科目対策は、入学してから指導を希望する教授の論文、書籍を、できるだけ多く読んでおくことを強くお勧めする。私のように学部時代と異なる分野を専攻する場合は、基礎的な教科書、参考文献を多数手にとり、果敢に勉強することが大切であることは言うまでもない。

不安解消に役立ったKALS
大学院進学と試験に対する不安をある程度解消してくれた点がとてもよかった。周りが皆就職していくときに、一人だけ院に進学することに対する不安、将来に対する不安、情報が少なく、勉強方法もままならず、どうしたらよいのかと悩んでいた自分を救ってくれたのがKALSであった。私は英語が苦手だったので、ミドルグレード英語、法学・政治学英語の2教科を受講した。この2講座でも、英文に十分慣れることができたし、院に行っても活用できる和訳テクニックを習得することができた。また、情報量の多さ、ビデオ無料補講、自習室がある点も、KALSのよいところだろう。

人生は長い。なにも周りにつられて定職に就く必要はない。遠回りしてでもいいから自分のやりたいこと、実現したいことを求めることが、人生の楽しみであると思う。今後大学院を受験される全ての方に熱いエールを送りたい。



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