キャリアの節目、キャリアの再構築を考えるとき、転機として役に立つのがMBA。でも本人の気持ち次第で、進学後の成否が分かれるのもMBAです。 ここでは、KALS大学院入試対策講座の主要科目「MBA論述対策」「MBA英語」を担当する講師が、講座で扱うMBA主要校の入試問題の傾向と対策について論じます。
京都大学 経営管理大学院
京大MBAの一般入試は、英語と小論文です。 英語はTOEFLまたはTOEICのスコア提出が義務づけられていますので、これについてはできるだけ早く各自受験し、ベストスコアを提出できるようにスケジューリングが必要です。 小論文は、経営・会計・経済・数学の4科目から1科目を選択し、回答する方式で、各科目2〜3題ずつ出題されます。例えば過去には「 資源ベースの競争優位アプローチ」「コアコンピタンスに関連した事業分野に集中する問題」などについての出題がありました。 小論文については、KALSの講義に出席していれば普通に答えられる問題ばかりです。 従って、小論文ではそれほど差がつかないように思いますので、英語でどれだけ差をつけられるかがポイントでしょう。
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科
英語については、年度や時期によって文章の長さが異なります。 出題形式としては、「タイトルをつける」「和訳」「内容説明」が多いです。 例えば過去には、「3Mを成功に導いた文化」について書かれた文章が出題され、それを読んで、タイトルをつけたり3Mの革新的な文化の革新の内容について説明する、といった形式の出題がありました。 N.Y.Times等の新聞から抜粋されることもありますが、基本的には英語のレベルは標準レベルといってよく、一般的な英語対策で対応できるものと思われます。
神戸大学大学院経営学研究科 社会人MBAプログラム(専門職大学院課程)
英語は文章2題(A4用紙1枚半と1枚弱)。出題形式は、内容説明、下線部訳などです。 「日本的経営システムの特徴」「日本経済の将来性について」など内容としてはオーソドックスな問題が多いように見受けられます。 また、時事問題小論文も一題出題されます。時事ですから、例えば「郵政民営化」がクローズアップされていた年の問題は、「民営化により何が改善されるか」といった内容の問題でした。日頃から新聞に親しんでおくことは必須です。
筑波大学大学院ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻
大塚の東京キャンパスにある筑波MBAは、ユニークな問題が多いです。形としては小論文 短文2題から1題を選択し、選択した課題から3−4問を解答するといったかたちです。 経営戦略に関する知識があれば解ける問題ですが、ユニークな内容が多いです。他とは違う方向なので戸惑う場合もありますが、慣れれば大丈夫。
一橋大学大学院 商学研究科
英語と小論文ですが、分量が多い上に、レベルもひじょうに高い。難関です。例えば07年度の小論文では「選択と集中」がテーマになっていましたが、それも単に「○○について説明せよ」といったものではなく、様々な要素をからめた複雑なものになっているので、難易度は高いです。
横浜国立大学大学院 国際社会研究科
試験としては小論文だけ。研究計画書はいうまでもなくありますが。小論文の内容としては、シンプルなものが多いようです。例えば「チャンドラーモデルについて説明しないさい」などの一行問題です。基本をしっかり押さえておけば対処できるといえます。
早稲田大学大学院 商学研究科
07年度からアジア太平洋研究科と合体して商学研究科に統合されました。試験は小論文のみ。研究計画書はもちろんあります。小論文の内容としては経済よりのものが多いですので、経営学にからめて経済学も勉強しておく必要もあると思います。内容的にはとっつきにくいものが多いです。
(08年2月11日KALS新宿校で実施した「進学フェスタ」の講演からの抜粋です。) ご質問等ございましたら是非、体験授業またはガイダンスにお越しください。 無料ガイダンスのお申込みはこちらから