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A 受験勉強については、私は予備校を利用しました。やはり受験の専門機関には、いろいろな情報があります。受験勉強に取り組んだ期間は約3ヶ月でしたが、正月を返上して必死で勉強した記憶があります。
受験勉強以外の部分についていうと、MBAコースに行って「自分が何をやりたいのか」をじっくり考える必要があると思います。単に流行っているからというような、安易な理由で入学するのは良くない。挫折につながります。現に、目的意識があやふやなために、やめそうになっている人、やめてしまった人を何人か知っています。進学の目的といっても、それほど立派なものである必要なありません。たとえば「スキルアップ」だけでもいいのです。その際、何をどういうふうにスキルアップしたいのか、具体的にきちんと考えておくとよいですね。
それと研究室訪問ですが、私はぜひ行ってみることをおすすめしたいです。今は一口にMBAといっても、いろいろなコース、いろいろな形のMBAがあります。自分に合った進学先を選ぶためには、実際に足を運んで、学校の雰囲気を感じ、話を聞いてくるのが一番。教授に話を聞くのもいいですが、通っている生徒から話を聞くと、非常に参考になります。 |
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B 私の例は特殊なので、あまり参考にならないかも知れません。99年の1月に試験を受け、4月に入学したのですが、94年から試験直前まで、ベトナムのホーチミン市に海外駐在していたんです。ですから、いわゆる受験勉強らしい勉強はほとんどしていません。ただ、日常生活の中で心がけていたことが、結果的に受験準備につながったのかも知れません。
私は、海外駐在中に欧米のビジネスマンと接する機会がありました。彼らのビジネスマンとしての切れは、自分を含めた日本人と全く違います。特に、財務関係の知識の幅、厚みに圧倒されました。それに触発されて、結果的にMBAへの進学を考えるようになったわけです。
現地では、自分なりに彼らに追いつこうとして、ウォールストリート・ジャーナルや、フィナンシャル・タイムス、エコノミストといった新聞、雑誌を購読していました。これが英語力の養成に役立ったと思います。また、たとえばフィナンシャル・タイムズには、シリーズものの特集記事が掲載されます。マネジメントとかグローバルビジネスといった、特定のテーマを掘り下げていくんですね。こういった記事は最新の理論をふまえて書かれていますから、購読することによって理論面の勉強にもなりました。
日本で受験の準備をするなら、NHKのラジオ番組「やさしいビジネス英語」がお奨めです。ちっともやさしくないですけどね。また本屋をのぞくと、いま何が話題になり、重要視されているのかが分かると思います。
研究計画書を書くにあたっては、まず自分が何を勉強したいのか、焦点を絞り込むこと。日々の業務の中で自分が感じている疑問や、会社へ提言したいことなどを洗い出してみるのがいいと思います。それらに論理的、説得的な方向性をもたせながらまとめるんですね。自分の実務経験やMBAコースで学ぶであろうことを生かし、「こういう方向ですすめたい」というふうにもっていければいいと思います。 |
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C 私の例も、あまり参考にならないと思います。受験準備期間は1ヶ月もありませんでした。MBAコースへの進学を思い立った直接のきっかけは、転職でした。新しい会社に移ったところ、比較的時間のゆとりをもてるようになったので、急遽、進学を決意したのです。もちろん、以前から経営学には関心をもっていたんですけどね。それと、転職前の職場での経験もMBA取得を目指すきっかけになりました。私が前に勤めていたのは、外資系メーカーでした。外資は実力社会であると同時に学歴社会なんですね。欧米でMBAを取ってきた人は、アメリカ人でも日本人でも、最初からマネジメントのキャリアとして採用されます。私のような、「英語が少し出来る営業マン」は、それなりのポジションにしか就けず、そこから昇進していくのはとても大変だったのです。
受験してみての感想ですが、法政では修論が必修なので、研究計画書の内容が合否の鍵になっている感じです。具体的なまとめ方としては、日頃自分がもっている問題意識を見つめ直し、そこから書き始めるのが鉄則です。たとえば私の場合、次のような問題意識から、書き始めてみました。
今、いろいろな外資系企業が日本に参入してきていますが、外資系企業をうまく経営できる日本人社長は、非常に少ないのです。自分なりに理由を考えたところ、欧米の経営スタイルと日本の経営スタイルにギャップがあるので、なかなか評価されないのではないか、と思いつきました。研究計画書は、この視点からまとめてみました。 |