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 2001年3月20日、KALS池袋校および横浜校にて「大学院入試・大学編入進学相談会」が開催されました。例年、数多くの受験生にご参加いただいていますが、今回も参加者約700名(池袋校460名、横浜校230名)と大盛況でした。
 同イベントにて行われた特別講演の中から、MBAコース在学者による座談会を紙上に再現。ダイジェスト版としてお届けします。
座談会出席者:
 ■Aさん 日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科 ベンチャービジネスコース(1年生)
 ■Bさん 青山大学大学院国際政治経済 研究科 国際ビジネス専攻(2年生)
 ■Cさん 法政大学大学院経営学研究科 国際経営コース(1年生)
司会:KALS・宮内教男講師


――近年、日本でもMBAが注目されています。なぜMBAが必要になのか?
それは、企業側のニーズと個人の意識の両面から説明できると思います。まず企業側の現状からいうと、グローバリゼーションの中で企業の国際化、多国籍化がすすんでいます。このような状況のもと、時代の流れに対応できる新しい人材が求められているわけですね。一方、個人の側からいうと、現代は職業観の変化が著しい時代。起業を志す若い人が増え、それに必要な知識を得る場として、MBAコースが注目されるという側面があると思います。

 今日は、現在、MBAコースで学ばれている3人の方にお越しいただきました。これからいろいろなお話を伺っていきたいと思いますが、まず、大学院の授業に出席してみた感想を、Aさんから順にお聞かせ下さい。

 A アカデミックな内容の授業より、実務家の先生の授業に興味を感じます。たとえば、野村証券で30年間アナリストをしていらっしゃった先生の授業などは、ご自身の実務経験をふまえているので非常に面白い。講義形式の授業もありますが、全体的にケーススタディやディスカッション、ディベートなどを盛り込んだ授業が多いと思います。グループワークでのレポート作成なども経験しました。こういった授業は仕事にも役立ちます。
 B Aさんがおっしゃったように、私の学校(青山学院大学)でも、聞くだけの授業より、インタラクティブな授業が中心になっていました。特に、実務経験のある先生は生徒への質問が鋭く、具体例を求めてつっこんできます。予習しないと、授業にはついていけませんでしたね。かなりの分量の書籍を読まないと、幅のある解答が出来ないんです。つまりいい成績がとれないということです。

 ですから、大学院生活による負荷は、かなり大きかったと思います。仕事をしながら、勉強の時間をつくる。いきおい睡眠時間を削らざるを得ず、最初の頃は「眠いなあ」というのが学生同士の挨拶がわりになっていました。もちろん、ただきつかっただけではなく、非常に自分のためになったという実感もありますけどね。
 C 法政のビジネススクールは、意外と歴史が古いんです。特に、夜間のコースには10年の歴史があります。アカデミックな授業と実践的な授業が両方ありますので、いろいろな時間割のバリエーションを選択できます。また、私は国際経営コースに在籍していますが、他コース(マーケティングコース、起業家コース)の授業を選択することもできます。

 授業についていえば、国際経営コースでは、英語力が必要です。一人、厳しい教授がいらっしゃって、ハーバードのメソッドで授業を進めるんですね。つまり、英語でケースを読み、そのケースについて英語で討議するというスタイルです。文法云々ではなく、特に英語でしゃべるスキルが要求される。ただ、すべての授業がここまで厳しいわけではありませんし、他コースでは、特に英語力が必要とされるわけでもないようです。

 夜間コースに通うなら、授業の内容がどうというより、仕事と勉強の両立が難しいと思いますね。法政では、修士論文が必修になっています。一年目に単位をたくさんとり、二年目は集中して修論に取り組まないと、卒業できません。うまく時間管理できるかどうかが、ポイントだと思います。


――それぞれ、具体的なお話をありがとうございます。私も経営学研究科で学んだのですが、そのころはやたらと原書を読み、それを訳して提出することを繰り返していました。フリートーキングなどまったくありませんでしたから、みなさんの話を聞いて、隔世の感があります。
 では、次の質問に移ります。みなさんは受験前に、どのような準備をされましたか?

 A 受験勉強については、私は予備校を利用しました。やはり受験の専門機関には、いろいろな情報があります。受験勉強に取り組んだ期間は約3ヶ月でしたが、正月を返上して必死で勉強した記憶があります。

 受験勉強以外の部分についていうと、MBAコースに行って「自分が何をやりたいのか」をじっくり考える必要があると思います。単に流行っているからというような、安易な理由で入学するのは良くない。挫折につながります。現に、目的意識があやふやなために、やめそうになっている人、やめてしまった人を何人か知っています。進学の目的といっても、それほど立派なものである必要なありません。たとえば「スキルアップ」だけでもいいのです。その際、何をどういうふうにスキルアップしたいのか、具体的にきちんと考えておくとよいですね。

 それと研究室訪問ですが、私はぜひ行ってみることをおすすめしたいです。今は一口にMBAといっても、いろいろなコース、いろいろな形のMBAがあります。自分に合った進学先を選ぶためには、実際に足を運んで、学校の雰囲気を感じ、話を聞いてくるのが一番。教授に話を聞くのもいいですが、通っている生徒から話を聞くと、非常に参考になります。
 B 私の例は特殊なので、あまり参考にならないかも知れません。99年の1月に試験を受け、4月に入学したのですが、94年から試験直前まで、ベトナムのホーチミン市に海外駐在していたんです。ですから、いわゆる受験勉強らしい勉強はほとんどしていません。ただ、日常生活の中で心がけていたことが、結果的に受験準備につながったのかも知れません。

 私は、海外駐在中に欧米のビジネスマンと接する機会がありました。彼らのビジネスマンとしての切れは、自分を含めた日本人と全く違います。特に、財務関係の知識の幅、厚みに圧倒されました。それに触発されて、結果的にMBAへの進学を考えるようになったわけです。

 現地では、自分なりに彼らに追いつこうとして、ウォールストリート・ジャーナルや、フィナンシャル・タイムス、エコノミストといった新聞、雑誌を購読していました。これが英語力の養成に役立ったと思います。また、たとえばフィナンシャル・タイムズには、シリーズものの特集記事が掲載されます。マネジメントとかグローバルビジネスといった、特定のテーマを掘り下げていくんですね。こういった記事は最新の理論をふまえて書かれていますから、購読することによって理論面の勉強にもなりました。

 日本で受験の準備をするなら、NHKのラジオ番組「やさしいビジネス英語」がお奨めです。ちっともやさしくないですけどね。また本屋をのぞくと、いま何が話題になり、重要視されているのかが分かると思います。
 研究計画書を書くにあたっては、まず自分が何を勉強したいのか、焦点を絞り込むこと。日々の業務の中で自分が感じている疑問や、会社へ提言したいことなどを洗い出してみるのがいいと思います。それらに論理的、説得的な方向性をもたせながらまとめるんですね。自分の実務経験やMBAコースで学ぶであろうことを生かし、「こういう方向ですすめたい」というふうにもっていければいいと思います。
 C 私の例も、あまり参考にならないと思います。受験準備期間は1ヶ月もありませんでした。MBAコースへの進学を思い立った直接のきっかけは、転職でした。新しい会社に移ったところ、比較的時間のゆとりをもてるようになったので、急遽、進学を決意したのです。もちろん、以前から経営学には関心をもっていたんですけどね。それと、転職前の職場での経験もMBA取得を目指すきっかけになりました。私が前に勤めていたのは、外資系メーカーでした。外資は実力社会であると同時に学歴社会なんですね。欧米でMBAを取ってきた人は、アメリカ人でも日本人でも、最初からマネジメントのキャリアとして採用されます。私のような、「英語が少し出来る営業マン」は、それなりのポジションにしか就けず、そこから昇進していくのはとても大変だったのです。

 受験してみての感想ですが、法政では修論が必修なので、研究計画書の内容が合否の鍵になっている感じです。具体的なまとめ方としては、日頃自分がもっている問題意識を見つめ直し、そこから書き始めるのが鉄則です。たとえば私の場合、次のような問題意識から、書き始めてみました。

 今、いろいろな外資系企業が日本に参入してきていますが、外資系企業をうまく経営できる日本人社長は、非常に少ないのです。自分なりに理由を考えたところ、欧米の経営スタイルと日本の経営スタイルにギャップがあるので、なかなか評価されないのではないか、と思いつきました。研究計画書は、この視点からまとめてみました。


――明快なお答えをいただき、ありがとうございました。
今、外資系企業のお話が出ましたが、日本版MBAを修了したあと、視点を広げて海外を見据え、外資系に転職する方は多いようですね。また、海外のビジネスマンは特に財務のセンスが優れているというお話もありました。これも、非常に貴重なご意見だと思います。

受験準備の段階でも、組織論、戦略論といった経営学の理論だけを勉強していたのでは、知識が足りないと思います。経営学と合わせて、例えば会計学の勉強をした受講生のほうが、のちのち受験がうまくいっている印象があります。

 さて、Bさんにもう一度お伺いしてみましょう。日本人と欧米のビジネスマンを比較したとき、具体的に、財務的なセンスがどのように違うのでしょうか。

 B 今、日本の会社も徐々に変わりつつあります。でもまだ、日本の企業で「数字」というと、売り上げとか、予算達成、マーケットシェアといった切り口になりがちです。これに対し、私が接した欧米のビジネスマンは、投資効率について常に考えていました。つまり、自分の時間、金を投資して、リターンはなにかということですね。

 少なくとも、会社の株価がどうやって決まるのかが分かっていないと、向こうの人とはやっていけません。また、今後は日本企業であっても、少なくとも上場企業では、ファイナンスの知識なしではマネジメントできないと思います。

 私は、財閥系の某メーカーにいましたが、自分のボスとか経営者をみていて、思うところがありました。製造部長とか、営業部長といったポストから偉くなった人は、「資本コスト」といっても、「なんだ、それは」という感じ。これに対し欧米のビジネスマンは、30代半ばでも、まったく違うんです。ベトナムという国に対する投資がこれで、リターンはこうだから、これくらいの利益を上げなければいけない。与えられた期間、3年間ではこうだとか、5年間ではこうだとか、そういうことを常にクリアにしているのです。

自分たちでそういうプランを立てて、ドイツなりアメリカなどの本社へ提言していることもありました。そんな中、私は「日系企業の中で、我が社のマーケットシェアはこれくらいになりました」といったレベルなのです。彼らとの幅、奥行きの差を分かっていただけると思います。幸い、青山学院の経営学研究科には、よい財務の先生がいました。みっちり仕込まれたので、会社のボスや同期には差をつけられたと思います。欧米の人と対等にやっていけるかどうかは、まだ未知数ですが。


――どうもありがとうございました。最後にAさん、MBAコースを目指す後輩に、エールをお願いします。
 A 私はMBAコースに入学して良かったと思っていますし、関心のある方には入学をおすすめしたいと思います。

 しかし、MBAを取得するためには、投資が必要になります。時間の面でも費用の面でもかなり大変です。特に家庭のある方は、仕事をして家庭のフォローをして、さらに勉強もしなければなりません。仕事には支障が出ないようにやるとしても、家庭に支障が出てしまうことがままあると聞きます。

 そういった苦労はあるでしょうが、MBAのスクールに来れば、目的意識の高い友人に必ず出会えます。勉強以外に、こういったかけがえのない人間関係を築けることが、MBAコースの良さだと思います。私は、もう少し経ったら自分でビジネスを立ち上げ、上場を目指して頑張りたいと考えています。そういった目標をもって、日々勉強しています。

 みなさんも、自分の目標と照らしあわせながら勉強されるのが良いと思います。頑張ってください。


――本日は貴重なお話を、どうもありがとうございました。
(一部抜粋)

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