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この内容は、当校にて編集した市販書籍『法科大学院パーフェクトガイド【2005年度版】』(2004年8月5日発刊/発行元:東洋経済新報社)の"変わる法曹養成システム〜法律家になるための新しい「プロセス」"から引用掲載しています。一部、ガイドブック(およびウェブ掲載)のため加筆・改定している箇所があります。ご了承ください。 |
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2004年4月、68校・5,767人でスタート |
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2003年11月および2004年1月に文部科学省から設置を認可された法科大学院(ロースクール)68校が、2004年4月に開校しました。その内訳は、国立20校、公立2校、私立46校で、2005年度にも筑波大学、龍谷大学など6校が開設を予定しています。
法科大学院が設置されたのは、法学部を有する大学が大半ですが、横浜国立大学、信州大学(2005年度開校予定)など、今まで法学部を持たなかった大学、あるいは第二東京弁護士会と学校法人佐藤栄学園が提携して2004年度に開校した大宮法科大学院大学など、法曹養成機関として社会の要請に応えようと設立された法科大学院もあります。
2004年度に第一期生として法科大学院に入学したのは合計5,767人で、総定員5,590人を3%ほど上回りました。定員規模は、東京大学、早稲田大学、中央大学が1学年300人と最大で、それに慶應義塾大学の260人が続きますが、多くの大学(全体の約7割)は1学年50〜100人の定員規模となっています。
法科大学院は「専門職大学院」の一つとして設置されており、法曹(弁護士・検察官・裁判官)の養成という明確な目標があります。近い将来、法曹になるためには、法科大学院を修了することが基本的には前提となります。
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修学年限と法学既修者・未修者 |
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法科大学院は、一般の大学院修士(博士前期)課程とは異なり、標準修学年限は3年(法学未修者)です。ただし、各法科大学院の試験で法律学の基礎的な学識を有すると認められた者は、法学既修者として最短2年で修了することが可能です。
一般的に、「法学部出身者=法学既修者(2年コース)」「他学部出身者・社会人=法学未修者(3年コース)」と捉えられがちですが、法学既修者・未修者の認定は、個々の大学が法律試験の結果を見て行います。つまり、法学部を出ていても法学未修者として3年コースに進む場合もあれば、逆に他学部卒・社会人であっても法律学の基礎的な学識があると認められれば2年コースに進めるのです。また、ほとんどの法科大学院が2年制の短縮コースを設けていますが、桐蔭横浜大学、大宮法科大学院大学のように修学年限を3年(4年)のみとするところもあります。
法学既修者・未修者の比率については、一般的に定員規模の大きい大学ほど既修者の占める割合が大きくなっています。定員300人の東京大学、中央大学は、ともに法学既修者が約200人に対し未修者は約100人。慶應義塾大学は定員260人のうち既修者約180人・未修者約80人、京都大学では定員200人のうち既修者約140人・未修者約60人となっています。
法学既修者の選抜方法は、早稲田大学のように、いったん法学既修者・未修者の区別なく全入学者を選抜した上で、希望者に対して法律試験を課して法学既修者を認定する「内部振り分け」方式と、東京大学、中央大学のようにそれぞれ別枠で募集し選抜する方式があります。また、別枠で選抜する場合、東京大学や京都大学、慶應義塾大学のように、既修者枠と未修者枠の併願を認めない大学もあり、出願時に慎重な選択が必要です。
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